おたんこなす、あんぽんたん、このスットコドッコイが!
いきなり、ごめんなさい。懐しい悪口に久々に出会ったのは昨日の毎日新聞夕刊第2面に掲載された「悪口考:粋にタンカ切ろう」のエッセイです。
こういう言葉、最近は耳にしなくなりました。ぼくと同じ世代と思われる某東大教員が学生を叱りつけて「この、すっとこどっこい」と言ったのにまるで伝わらなかったという逸話で始まっています。そうか、こういう言葉も知らないんだ、最近の学生さんたちは。なにか素敵なものに触れることなく大きくなってしまったような気がします。同時に女性教員がこんなタンカを切るというのも驚きです。ずいぶんと元気な人がいるものですね。最近はよほどの年配からしか聞いたことがありません。
この記事にリストされていた悪口の例が↓です。
+ 親ばかちゃんりん、そば屋の風鈴
+ カエルの面にションベンだ
+ おととい、来やがれ
+ お茶の子さいさい、カッパの屁((へ))
+ 何抜かしやがる、唐変木((唐変木:とうへんぼく))め
+ おっとどっこい、そうは問屋が卸さねぇ
+ てれんこてれんこしているな
+ ちゃんちゃらおかしいや
+ ばかやろう、へそかんで死んじまえ
+ その手は桑名の焼きはまぐり
半分くらいは悪口ではないような気がするけど、いずれも元気な言葉でしょ?「死ね」とか「殺す」ってのは、寒々しくて聞くに耐えません。でも、そもそも生き生きとした言葉を知らないんだから、仕方がないかもしれません。
エッセイには、悪口はそもそも活字に残らないから、伝承されにくいと書かれています。そういうものかもしれない。でも、昔の小説を読むと結構、目にするからそれは当っているんだろうか?明治期の小説を読んだり落語を見るときのひとつの楽しみはこういった小気味のよい言葉に出会えるからなんだよね。
伝承といえば、大学の先輩から教わった調子のよい言葉も結構あります。「その手は桑名の焼きはまぐり」なんかは、サークルの仲間同士でトランプをやっていた晩に3つくらい上の先輩がよく使っていました。相手が一撃必殺のつもりで強いカードを出したあとに、勝利の笑みを浮べながらこれを発していました。意味わかりますか?「その手は食わないよ」の洒落です。
ぼくが子供のことの悪口の定番は「バカ、カバ、ちんどん屋〜♪、お前の母さん出ベソ♪、ついでにお前も出ベソ」でした。これに節をつけて歌ったわけです。大きな通りをはさんだ向う側でこれをやられると、悔しくって、悔しくって「なんだい、このコンコンチキが!豆腐の角に頭をぶつけて死んじまえ!」とか言うしかないんですよね。((同じ「死ね」でも、こういう言い方なら罪はないのに))自分の母親の悪口を言われて頭に来るのはイタリアのサッカー選手に始まったわけではありません。
みなさんはどんなタンカを切ってました?
どいいう意味ですか?
う〜ん、どのフレーズのことですか?