Lively Kernel をいじりながらK君と議論をしていました。パソコンには、もうOSはなくてもいいかもしれない。最低限のウェブブラウジングの機能があって、デバイスにアクセスすることができたら、既存の OS の大半の機能はなくてもいいかもしれません。
Netbook とかで電源を入れてから数秒で簡易 OS が起動してブラウザを使えるようになるのを売りにしているけれども、その上でJavaScriptで書かれて本格的なソフトが使えるのなら、誰が起動に30秒もかか本格的なOSを使いたいだろう?
家に戻ってから、こないだの Alan Kay のビデオを見ていたら PDP-1 の上で Peter Deutsch が Lisp を実装した話が紹介されていて「あんなに強力な言語があったら OS はいらないんじゃない?」みたいなことを言ってました。そういうことなんですね。ROM BASIC の世界は正しかったんだ。無駄にメモリを積んでいるから、無駄なデータを積み込んで、無駄に CPU が速いから無駄な機能が追加されるに違いない。
メモリ容量が100倍になって、CPUの性能が100倍になって何が変ったか?10 年以上前の昼間に Steve Jobs が NeXT を紹介しているビデオを見ていたのだけれども、変ったのはグラフィック性能だけだね。Moore ががんばった成果の 90% 以上は無駄なものに費やされているらしい。
最近デルのエライ人が日本に行って、仮想化技術を売り込んでたらしい。曰く、「うちのサーバーに使用率が低いものが多かったので、仮想化技術で実台数を減らして、コストを下げた。」、と。それってサーバ売ってる人が言うこっちゃないんじゃ…ってのは本人も理解していたらしい。
ハードウェアのレベルでパフォーマンスは上がってても、大半の庶民の生活の向上には直接貢献してないように思えるよね。Netbookが売れてるってことがその証左だと思う。マイクロソフトは長年OSを肥大させて、それを新しい機種に買い替えさせる口実にしていたんだけど、Vistaでそれに失敗したようだし。WWWというプラットフォームが登場したときのような、何か大きなソフトウェア革新がないと、この停滞感はしばらく続くような気がする。
(MS が OS を肥大化させて買い替えさせると喜ぶのはインテルと台湾の PC メーカのような気がするような。。。)
そっか、停滞しているんだな、う〜む。
昔の Lisp MachineマシーンとかAlto みたいに、JavaScript マシーンが出てきたりして。
SDK を公開する前の iPhone のビジョンは、そんな感じだったのかも。