超ニッチな話題ですみません。SKK というのは I オペレータのことではなくって、某マイナーな漢字入力メソッドのことです。変換効率の高さから、一部の熱狂的なユーザに支持されています。でも、とっつきが悪いので、多くの人は入口で挫折してしまいます。
SKK を使っていて気持ちがいいと思うのは、自分がペンで文章を書くときの漢字の使い方と SKK を使ったときの漢字の使い方の整合性のよさです。ときどきやたらに小難しい漢字を多用する人がいますけれども、ぼくは嫌いです。単なる嗜好の問題にすぎないという人には「紙に手書きで書く文章のときもそんなに漢字を使っているの?」と聞きたいです。たまたま、かな漢字変換ソフトウェアが提示してしまうから、紙に書くときよりも余分に漢字が多い文章になっているんじゃない?もしそうだとしたら、それは問題だと思います。
で、SKK は連文節変換ではなく、自動変換ではなく、単文節変換でさえなく、まさに漢字で書きたい部分を明示して変換するので、自分が漢字で書きたい部分だけが漢字になります。この気持ちを共有する方には SKK をお薦めしますよ。
さて、前置きが長くなりましたけれども、本題です。[[AquaSKK:http://aquaskk.sourceforge.jp/%5D%5D は Mac 用に SKK を移植したものです。GUI アプリケーションを使っている限り、AquaSKK の標準的な設定で問題がないのですが、ターミナルで AquaSKK を使ったり、vim で使おうと思うとかなり面倒なことになります。
ターミナルでの問題は、英数モード→かな漢字変換モードやその逆のモード変換に使われる ”l” や ”^J” のキーの扱いがうまくなくて、モード変換はされるのだけれども、それらのキーがターミナルにも届いてしまって混乱する点です。
vim での混乱は使ってみた人には明らかなのですが、vim の入力モードと SKK の入力モードが複雑に絡んで大変なことになるということです。
まず、最初のニッチな中ではわりとメジャーな問題ですけれど、これはインプットメソッドの入力メニューを調整することで解決しました。以下の図のように AquaSKK の ASCII 入力のモードを選択”しない”のがミソです。
ASCII 入力のかわりに、U.S. キーボードを使います。そして、英数モードを使うときには日本語キーボードの”英数”キーを使い、かなモードにするときには”かな”キーを使います。こうすると、AquaSKK のかなモードと U.S. キーボードの設定をいったりきたりできます。
いままで、Eclipse やターミナルのように AquaSKK と相性の悪いソフトウェアを使うときには、一々、コマンド+SPACE で U.S. キーボードと AquaSKK の間を行ったり来たりしていたのですが、これでキー入力一発で済むようになりました。そうそう、vim を使って英語の論文を書いていても、和英辞典や Web を使うときにはかなモードにしなくてはならなくて、苦労が絶えなかったのですが、その悩みから救われました。未だに身体は ”l” や ”^J” を覚えているのでリハビリ治療中ですけど、一週間くらいで慣れることでしょう。
一方、vim での解決は、vim に任せるしかありません。vim のスクリプトで SKK の機能を実装した ”skk.vim” というプラグインがあります。これを設定してから、AquaSKK が邪魔しないように、上で紹介した方法でキーボードの入力モードを英数にすると快適に使えるようになります。