低感度でバルブ撮影することにつきます。でも、手持ち撮影でのスローシャッターは手ぶれがあって無理なので、いろいろ付随するテクニックが利用されます。
* 道具
– カメラとレンズ適宜。でも、シャッタースピードをバルブに設定できることが必須。
– 三脚
– レリーズ(リモートスイッチ)
~ バルブ撮影のあいだずっとスイッチを押し続けるのはつらいので、ロック機構があるものが便利です。
*撮影のコツ
**フォーカスは∞
レンズの焦点はほぼ無限遠に設定します。花火は何百メートルも離れたところで開きますので、明るいうちにどこか遠くの建物に焦点をあわせておけばいいでしょう。撮影中に焦点がずれるとこまるのでセロテープで固定してもいいかもしれません。
**バルブ撮影
バルブ撮影とはシャッターのスイッチを押し続けているあいだレンズが開いている設定のことです。シャッターを押し続けて、それを離したときにようやくシャッターがしまり、撮影が終了します。典型的な花火の写真の場合、花火が登っていくのを観察しながら、花が開く一瞬前にシャッターを押し、花が開ききったあたりでシャッターを戻すことで、花が開く様子を撮影することができます。
カメラのモードはマニュアルにします。レンズは開放から少し絞りこんだくらい、シャッタスピードはバルブです。オートやプログラムモードでは思ったような写真は撮れないと思います。
**低感度撮影 (ISO = 100)
暗いところでの撮影では普通、ISO = 400 とか 800 とかいった高感度に設定します。しかし、花火の撮影では露出時間が長いために高感度撮影をしたら、写真が灰色っぽくなってしまいます。やはり、花火は漆黒の背景に鮮やかな花が開いたコントラストがあって美しいものです。だから、低感度で撮影します。
もちろん、フラッシュは使いません。せいぜい10メートルくらいしか届かないフラッシュを花火に向ってたいても意味がありません。かえって背景が白く飛んできたなくなるばかりです。フラッシュを盛んにたいている人がそばにいたら場所を移動しましょう。
**三脚必須
1/30秒よりも遅いシャッタースピードで手ぶれをせずに撮影できるのはかなり腕の立つ人です。ましてやバルブ撮影で手ぶれを避けることはできません。ですので、撮影中はカメラを手にもつのではなく、どこかに固定する必要があります。普通は三脚に固定します。
**レリーズ
レリーズはカメラのリモートスイッチだと思って下さい。直接カメラに手を触れずにシャッターを切ることができます。三脚必須のところで書いたように手ぶれを避けるためにはカメラには触れたくないものです。だから、レリーズを使います。
*さらなるコツ
**多重露出
同じ写真のなかにきれいな花火をたくさん写したいですよね?でも、実際に撮影するとカメラの画角に大輪の花火をたくさん入れこむことは難しいです。もちろん、長時間露出してもいいのですが、それだと漆黒の背景が失われてしまいます。そんなときに利用するのが多重露出です。昔のカメラだと多重露出の機能があって、同じフィルム面に何度も露光することができたのですが、最近のカメラだとできませんよね?
でも花火のような暗闇のなかでのバルブ撮影では簡単な工夫でそれができるんです。必要なものは艶消しの黒い板だけです。長時間バルブ撮影をしつつ、花火が打ち上がっていないあいだはレンズの前に黒い板をかざして、光がレンズに入らないようにします。そして、シャッターチャンスがやってきたら、それをはずして露光を継続し、花が開いたら再びレンズを隠します。これを何度かやることで、実質的に多重露出ができます。
**ズームレンズをいじる
いろいろやってみて下さい。目で見た花火とは全然、異なる幻想的な写真が取れます。
**フォーカスレンズをいじる
ズームレンズをいじるのと似たような効果があります。