コメントスパムに対する経済的な防御


個人用ブログにコメントスパムに攻撃され始めて困っているという話をしました。WP SpamFree という JavaScript を使ったコメントスパムフィルタの効果に翳りが見えてきたのです。このフィルタは

コメントページに JavaScript を埋め込み、それを正しく解釈していないコメントはスパムを見做すという仕組みのようです。つまり、スパマーも JavaScript を正しく解釈できないと投稿できないようになっています。これに加えて、Cookie を併用できます。

WP SpamFree のような技術的なハードルを高めることでスパムを避ける方策が使えなくなってしまったので、次に登場するのは経済的な対策ではないでしょうか。

スパマーに対応する技術の一つに経済的な防御というものがあります。スパマーに対して、スパムを発信するコストがスパミングで得られるコストよりも高くすれば、スパミングをする利点がなくなるという発想です。

WP SpamFree の場合、スパムコメントを投稿するための技術的なハードルを高めたということになるのですが、これをさらに進めることで経済的な防御を実装することができます。たとえば、ブログサイトのコメントフォームに投稿するときに評価しなくてはならない JavaScript コードを実行するのに10秒を要したとしましょう。一般のブログサイトの訪問者にとって、これは大したコストではありません。なぜなら、読者がこのウェブページを読んでいる間に裏でゆっくりと評価していればいいのですから。

ところがコメントスパマーにとってはこれは大きなコストとなります。一台のパソコンから、それまでは一分あたり600通のスパムコメントを投稿していたとします。それが、この仕掛けを使えば、6通しか投稿できなくなって効率が1/100になってしまいます。

実際にはスパムは悪性ソフトウェアに感染した一般人のパソコンから発信されているので、スパマーはそんなことは気にしないと思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。スパマーの収入源は主に、スパムの依頼主のサイトに対する誘導回数となっています。スパミングの効率が1/100となれば、彼らの収入もやがて1/100となり、スパミングというビジネスが成立しなくなるかもしれません。

早くスパムがなくなって欲しいです。

コメントスパムに対する経済的な防御」への1件のフィードバック

  1. JabaScript を解釈するスパムボットが一般的になったら、その機能を逆手にとって有用な計算をやってもらうといいかもしれませんね。コンピュータウイルスの振る舞いの分析とかね。

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