オフラインブログ執筆


WordPressでの記事の執筆はとても簡単なのですが,効率という面ではもう少し改善できないものかと思います.ちょっとした不満は記事を保存してプレビューするのに要する10秒くらいの待ち時間です.ほんの10秒ならば大したことはありません.でも,ちょっとした記事でもプレビューで確認して,小さな間違いを見つけて修正してというサイクルを繰り返すことになると,全体としてはかなり無駄な時間を過すことになります.間違って変なキーを押したばっかりに,ほとんど仕上がっていた記事が台無しになったことも一度や二度ではありません.いつもの執筆環境だったら,そんな「大事故」に出会うこともないのに.

この記事では使い慣れたテキストエディタを使ってブログ記事を執筆する方法を紹介します.記事の執筆には簡易マークアップを使います.執筆中の記事は自作のツールですぐに眺めることができます.記事が完成したら,ブログサイトにメールを使って投稿します.

Markdown書式を用いた記事の執筆と閲覧

つい最近まで,WordPressの記事の執筆はHTML形式を用いるか,簡易ワープロを使うしかありませんでした.でも,半年ほど前にWordPress.comがMarkdown書式に対応しました.見出しの先頭には#,箇条書きの行の先頭には-という風に簡単な記号を付加するだけで,テキストファイルにきれいに書式を割り当てることができるようになったのです.

Markdown書式はテキストエディタを使って執筆するのが自然な方法でしょう.ただMarkdown書式が読者向けに整形された様子を眺めるために,ときどきWordPressに投稿して確認しなくてはならないとしたら,手間だし時間もかかります.

そこで手元のパソコンでMarkdown書式を閲覧するためのツール (mddview)を作成しました.実は,編集中のファイルに相当するURLを作成して,それをブラウザで開いているだけです.

#!/bin/sh
p=`pwd | sed -e "s|^.*Dropbox[^/]*/||"`
p="<a href="http://localhost/$p/$1">http://localhost/$p/$1</a>"
open -F $p

このために,Apacheを動かしてDropboxのフォルダをDocumentRootに設定しています.さらに,.mdの拡張子を認識して,multimarkdownを使ってMarkdown形式をHTML形式に変換するCGI (markdown.cgi) が以下です.1

#!/bin/sh
echo "Content-type: text/htmlnn"
/opt/brew/bin/multimarkdown -f < $PATH_TRANSLATED

ぼくはブログ記事の執筆にVimを利用しています.Vimでの編集作業中に簡単に記事の閲覧ができるように,Ctrl-Vというキーを叩くと編集中の記事をブラウザで確認できるようにしています.

:map :!mmdview %

ほかのテキストエディタでも,類似のキーバインディングは簡単に追加できることでしょう.


完成したブログ記事の投稿

WordPressにはメールで記事を投稿できます.WordPressに割り当てられたメールアドレスに送ったメッセージの内容が記事になるのです.メール投稿の機能を有効にするにはWordPressのダッシュボード自分のブログを見て下さい.

このメール投稿の機能は,記事の内容を送付するだけでなくてほかにも,ショートコードという記法を用いたいろいろ便利な機能を提供しています.

  • 記事のタイトル,URL,カテゴリ,投稿状況(草稿,,非公開,公開など).たとえば,この記事のなかでは以下のような指定をしています. – “ 記事の表題を指定します.
  • “ 一応,下書きとして投稿して,ブログサイトで最終確認してから公開します.
  • ソーシャルメディアとの連携
  • “ SNS向けのメッセージ

さて,ここまで執筆作業をテキストエディタのなかでしてきたのですから,記事の投稿までテキストエディタでやってしまいたいですね.そこでsendEmailというツールを設定してみました.この簡単なツールはSMTPの情報を与えるだけでコマンド行からメール送信をできるようにするものです.例を紹介しようかと思ったのですが,プロバイダの情報やWordPressの秘密のメールアドレスが漏れそうだったのでやめておきます.ともかく,メールソフトの設定ができる人ならば利用できると思います.

sendEmail を利用するスクリプトにwppostという名前をつけ,Vim から以下のように実行しています.

:!wppost %

ちなみに,この意味は!がUNIXコマンドの実行,wppostはコマンドの名前,%は現在編集中のファイル名です.ということで,これはwppost this-blog.mdとコマンドを実行していることになります.2


草稿をWordPressに投稿したら

草稿をメールでWordPressに送付するとすぐに記事が登録されてます.不思議なのは,ブログシステムで記事を保存すると画面の更新が完了するまでにかなりの時間がかかるように見えるのに,メールで送付した記事はあっという間にアクセスできるようになっていることです.なんででしょうね.

ともかく,ぼくのフローで作業すると記事はまだ草稿(Draft)のままで,公開されていません.ここでWordPressのプレビュー機能を利用して最終確認します.満足したら,公開しましょう.


  1. WordPressが採用しているMarkdown Extraというもののようです.それに対して,ぼくはMultimarkdownというMarkdownの亜流のツールを使っています.このため仕様の違いからプレビューは若干見かけが異なります.Markdown Extraをインストールしてコマンド行から利用できるように設定すればいいのですが,これについては調査中です. 
  2. 偉そうに書いてますが,%が編集中のファイル名を表すことは木曜日にVimの入門本から学んだばかりです. 

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