BibDesk の設定の共有


BibDesk は文献管理システムです.文献管理システムは研究生活で必須な存在です.新しい文献を取得し,メタ情報を編集して整理し,文献についてのノートを残しといった作業はすべて文献管理システムを利用しています.BibDesk を使い始めて10年くらいになると,BibDesk の設定も自分なりに工夫を施しています.たとえば,

  • 文献の引用キーを文献情報から自動的に設定する設定

    本日の午後のセミナーで学生が発表する予定になっている文献には yang-2014-detecting-cohesive-and-2-mode-communities-in-directed というキーがつけられています.

  • 文献の PDF ファイルを自動的にフォルダに整理する設定

    上記文献は papers/yang/yang-2014a-detecting cohesive and 2-mode communities in directed an undirected networks.pdf と自動保存されています.

きちんと設定すると,ネットで文献情報を見つけてワンクリックで自分の文献データベースに取り込み,自動的に引用キーを生成.もうワンクリックで PDF をダウンロードし,自動的に PDF を適切な場所に保存できます.

ただ,職場と自宅とモバイルの Mac で設定が微妙に異なるとやっかいなことになります.とくに文献の引用キーと文献の保存場所の指定が異なると,自宅では簡単に見つかった文献が職場では迷子になったりとなったりして大変なことです.

つい最近までは,BibDesk の設定ファイル (edu.ucsd.cs.mmccrack.bibdesk.plist) を Dropbox で共有していて,幸せだったのですが,最近になってその設定をきちんと認識してくれなくなってしまい,困っていました.

仕方ないために,BibDesk の設定を自分好みに修正するスクリプトを作成しました.Mac の plist 設定ファイルをコマンドから修正する defaults コマンドを利用しています.

ところで,plist ファイルを調べているうちに隠れ設定があることに気づきました.GUI からは変更できない設定項目があるのです.たとえば,引用キーをすべて小文字で生成する(Cite Key Generate Lowercase)とか自動保存するときのファイル名をすべて小文字にする(BDSKLocalFileLowercaseKey)とかです.後者はぼくにとっては非常に重要なのです.

自宅のMacのハードディスクを初期化するときに,ちょっと面白そうだったのでファイルの大文字と小文字を区別するように設定したのです.Macのファイルシステムは以前から,ファイル名の大文字と小文字を区別しません.だから,Makefile と makefile をともに含むソフトウェアのソースがあると変なことになってしまいます.ハードディスクをフォーマットしなおして大文字と小文字を区別すると,こういうトラブルを避けられるのですが,別の問題を抱えることになります.つまり,自宅で文献を保存すると大文字まじりのフォルダ名を生成し,大学で保存すると小文字のフォルダ名になるために文献が散逸してしまうのです.本来は早々にディスクを初期化しなおすべきなのですが,それも面倒.

こんな感じでイライラしていたところに,この隠しオプションはありがたかったです.こんな悩みを抱えている人はほかにいないと思うけどね...