ILC 2014 (International Lisp Conference)の招待講演で Christian が MOOC をやった経験について語ってくれました.SOOC というのは,Small-scale MOOC というつもりだそうです.
Christian Queinnec は30年来の Lisp の研究者で,名著 “Lisp in Small Pieces” の著者としても知られています.
- 10週間のコースの教材作成に約一年(教科書 “Lisp in Small Pieces” は元々あった)
- スタッフは教授1名,ティーチングアシスタント4名(各100時間)
- 60ビデオ,全部で約7時間(ということはそれぞれ10分程度)
- 大学のビデオ編集スタッフ3名
- 教材やサポートシステムは大部分は Google のサービスを使って実装し,統計解析は Christian が自作(Christian が4人日)した.
- SOOC の参加者は
- 一度でもビデオを見た人
- 585人
- 氏名を登録した人
- 144人
- フォーラムに参加した人
- 110人
- フォーラムで発言した人
- 13人
- 修了した人
- 25人
となっています.練習問題は60個,試験は3回.それぞれ自動採点システムで集計したとのことです.
MOOC のよいところは,学習の課程を詳細に統計分析できることだということです.Googleのサービスが必ずしも,分析に必要なユーザに個別の情報を提供していないのだけど,さまざまな情報を JOIN することで詳細な分析をしたということです.統計情報の集計はかなり大変みたいです.講演のあとで話をしたら「Apache Log に相当する情報があるといいのだけど」と言ってました.
講演資料をいただいたので,興味のある方はブログ (facebook ではなくてブログ) にリクエストメッセージを書き込んで下さい.MOOC の実施に関わっている方は是非一読なさることをおすすめします.